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その態度をみて、
「…まあ確かにそっちの方が気が楽っちゃ楽だけど…」
私の返事が予想外だったのが少女はしばらく考え込むと、
「よし、考えてても仕方ない。セレナ…だっけ?とりあえず仮っとことだけどこれからよろしく」
少女はそう言いながら手を差し伸べてきた。
私はその手を取って
「よろしく、サンウェルドさん」
「アルティでいいわよ、そっちの方が気が楽だし」
その少女…アルティとしっかりと握手をする。
「ほら、さっさとしないと荷物置いて着替えないと訓練が始まっちゃうわよ」
アルティは一人部屋へと歩き始めた。
「あ、待ってよアルティ」
私も後を追って歩き出した。
―これが何の変哲もないごくごく普通の私…セレナ・フローライトと魔導師の名門家の長女であるアルティス・サンウェルドとの出会いである。
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