【序章】 崩壊の響き

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2012年8月15日 大都会東京は一層夏の暑さが増して蝉の鳴き声が響いていた ただ違ったのは東京中のどこからも人々の声や動きがなかった.... JR秋葉原駅 「044.レテラ03人影、現況変化なし、送れ。」 JR秋葉原駅と書かれた看板が傾き落ち、駅構内の柱には生々しく血が付いていた 声がした電気街口の改札の方向より迷彩戦闘服の格好をした人が六名出てくると分隊長らしき人物がハンドサインを送り口頭で下達し始めた 「中央通りまで前進し、以後別命あるまで四周警戒せよ。」 すると命令を下達された隊員達は四周を警戒しつつ、無言のまま前進し始めるとしばらくして中央通りが目の前に広がり始めた 「宮古二曹、現況変化なし。」 すると宮古二曹と呼ばれた人物がすぐさま中央通り沿いにあるソフマップ秋葉原本館の建物に接近しピースサインで目から前に指して再度ハンドサインを送る すると再び前進し始める <カンッ> 突然中央通りに鋭い金属音が響き渡る 「散開し四周警戒。」 宮古二曹が隊員に分かるように言うと隊員は二人一組で三方向を向き始めた だが音のした方向からは何の動きもなかった 「誰もいない...?」 一人の隊員が呟くと同時にあらゆる方向から足音が響き渡る <パタ.パタ.パタ> <タッタッタッタッ> 「くそ、どこに居るんだ?」 各々の隊員は恐怖と極度の緊張感で研ぎ澄まされた精神を集中していると一人の隊員が叫んだ 「も、目標発見!! 射撃許可を...」 そこまで言うとその隊員は突然絶命した そう彼は路地裏から現れた"何か"に襲われていたのだ 「寺野!!なんでこんな奴らに...」 <タタタタタンッ> <タタタンッ.タタタンッ> 銃声が響き渡るより先に路地裏から現れた"何か"は彼らを埋め尽くすと同時に彼らからの銃声が鳴り響かなくなり、"何か"が去ると彼らの骸が転がっていた 東京がどの様にしてこんな状態になったか誰にもわからなかった わかるのはただ一つ 生き延びる事であった
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