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僕は何度も美結からの手紙を読み返した。
読み返しているうちに、自然と涙が溢れだした。
どうしてもっと早く自分の気持ちを美結に伝えなかったのだろうと後悔もした。
だけど、どんなに泣こうと、どんなに後悔しようと、もうすでにここに美結はいないのだ。
僕は家庭科室の中に一人ポツンと取り残されたようで、ひどく寂しくてしかたがなかった。
今の僕にできることは、ただ、美結の残してくれた手作り弁当を食べることだけだ。
そして僕は今、電子レンジのスイッチを入れ、いつも美結がしていたように鼻歌を歌いながら、美結と過ごした昼休みを思い返し、以前のようにたった一人で弁当が温まるのを待っている。
(完)
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