2人のキャラメル

2/6
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
「…おい、大丈夫か?」 「え?」 体育の長距離走を終えて校舎に向かう途中、同じクラスの奴が如何にも気分悪そうにしゃがみ込んでいた。 俺を見上げたそいつは前髪で目が隠れてるし眼鏡かけてて…如何にも地味な奴。 確か昨日は学校を休んでいたな。 「…小原くん…」 「あー、うん」 俺の名前は覚えてたんだ。 ちなみに言っておくと俺の名前は小原光希『コハラミツキ』。そんでこいつは神川玲『カミカワレイ』。高校2年で同じクラス。 「気分悪いのか?」 「…少し」 「保健室で寝とけよ。昨日も休んでただろ?」 「ううん。大丈夫」 「倒れても知らねーぞ」 「…それは困る」 やけに素直…。 「連れてってやる」 「大丈夫。1人で行けるから」 「いいよ。途中で倒れられても困るし」 「ありがとう」 クラスでは地味だし話すのはこれが初めて。 2年になって、同じクラスになって、2ヶ月。 案外話易い…というか…なんていうか…まぁ、話辛くもない。 「お前って休みとか遅刻とか早退とか多いよな」 「…そうかな?」 「うん。ノートとか書けてんのか?」 「正直書けてないかな」 「なら見せてやるよ」 「え、いいよ」 「親切はちゃんと受け取っておけ」 「…ありがとう」 何故かちゃっかりノートを見せる約束をしてしまった俺。 なんか調子狂うなー。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!