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「…おい、大丈夫か?」
「え?」
体育の長距離走を終えて校舎に向かう途中、同じクラスの奴が如何にも気分悪そうにしゃがみ込んでいた。
俺を見上げたそいつは前髪で目が隠れてるし眼鏡かけてて…如何にも地味な奴。
確か昨日は学校を休んでいたな。
「…小原くん…」
「あー、うん」
俺の名前は覚えてたんだ。
ちなみに言っておくと俺の名前は小原光希『コハラミツキ』。そんでこいつは神川玲『カミカワレイ』。高校2年で同じクラス。
「気分悪いのか?」
「…少し」
「保健室で寝とけよ。昨日も休んでただろ?」
「ううん。大丈夫」
「倒れても知らねーぞ」
「…それは困る」
やけに素直…。
「連れてってやる」
「大丈夫。1人で行けるから」
「いいよ。途中で倒れられても困るし」
「ありがとう」
クラスでは地味だし話すのはこれが初めて。
2年になって、同じクラスになって、2ヶ月。
案外話易い…というか…なんていうか…まぁ、話辛くもない。
「お前って休みとか遅刻とか早退とか多いよな」
「…そうかな?」
「うん。ノートとか書けてんのか?」
「正直書けてないかな」
「なら見せてやるよ」
「え、いいよ」
「親切はちゃんと受け取っておけ」
「…ありがとう」
何故かちゃっかりノートを見せる約束をしてしまった俺。
なんか調子狂うなー。
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