いつものしあわせ

9/12
前へ
/76ページ
次へ
肩までの黒髪は カチュウシャをしていて、 大きな茶色目は 睨むように細めていて 小さな唇は ムッとして への字に曲がっていた。 笑うととても愛嬌のある 可愛い顔なのたが、 今は怒っている様子。 小柄な体型は 今は少し膨れ気味だ。 「ママー!」 そう言って平都達は、 その女性に抱き着く。 そう。 この女性は 平都と沙璃の母親であり、 そして僕の最愛の妻でもある、 湊条 亜柚だ。  「相変わらず、  容赦ないな…亜柚。」 僕は腰を摩りながら 立ち上がる。 「あたりまいよ。  痛いように  やってるんだから。」 そんなしれっとして 言わなくても… 僕は苦笑いをしていると、 「大丈夫?  パパに何かされなかった?」 亜柚は心配そうに二人を 覗き込む。 「うん」「大丈夫」と 声を出して頷く。 パパは泣くぞ; そうふて寝しようとすると、 「母天下だね…」 ボソッと耳元から声がした。 「うるさい、愛美。」 後ろからそういいながら、 僕の隣を歩きさる。 愛美の登場に、 二人は大喜び。 その様子は 僕が来る時よりも 嬉しそうで余計に ショックを受けた。 .
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

177人が本棚に入れています
本棚に追加