ep.2“能力テスト”

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日は進み全ての学力テストが終わった。 真っ白で脱け殻のようになっている尚希を見れば、決していい結果ではないだろう。 しかし、それ以上にテストの解放感が勝ったのか、すぐに尚希は復活した。 「上川君ちょっといいかな?」 尚希の名前が呼ばれた方を振り向いてみると、そこには海野さくらが立っていた。 「ひゃい!?」 突然話しかけられただけでなく、その相手が海野さくらだった為に尚希はよく分からない返事をしてしまった。 「上川君どうしたの大丈夫?変わった返事だねっ!」 口の前に手を持ってきて、クスクスと笑いながら尚希に微笑んでいる。 (くそっっ!俺とした事が何て失態だ!!けど、可愛いな!しかしあれは、笑ってくれてるんじゃなくて、笑われてるんだ……でも、すっごく可愛い!!) 「本当に大丈夫…?」 尚希が脳内で闘っていて、いつまでも経っても現実に戻って来ないので、海野さくらが今度は心配そうに尚希の顔を見ている。 尚希は、ハッと正気に戻った。 「ご、ごめん!大丈夫だよ。で俺に何か用かな?」 その場しのぎで無理矢理笑顔を作り、海野さくらに慌てた感じで用件を聞いた。 尚希は、万が一いや億が一これがデートの誘いではないかと期待した。 「あのね、高橋先生が呼んでたよっ!」 案の定、まったく違う用件だった。デートの誘いと少しでも期待した為に肩を落としていた。
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