きみのこと

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 田中君。  かっこよすぎ。  そしてあたしは。  どこまでも、アホだ。  どうして、どうして。  いなくなってから、気付くんだろう。    あの時、なんで気付かなかったんだろう。  私は田中君に、ドキドキしたのに。 「田中君に、好きって、いいそびれちゃったな」  自然と、口にでた言葉。  でももう、驚かなかった。  素直に言葉にだすこと。  大切だって、田中君が教えてくれた。  岡田君は、そっかあと呟き、それから二人で、しばらく窓の外を眺めた。  そこにいない田中君の姿を、思い出していたのかもしれない。
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