気付けば目の前に

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あの頃、いつも下を向いて 歩いてた。 空を見上げても私を照らす 太陽なんてなかったから。 それどころか、いつも私の心 は雨だった。 そんなトキに見付けたのは 何処にでも存在(あ)る 小さな石だった。 辛くて、悲しくて、淋しくて、空を見る気になれなくて、でも…その小さな石は、どんなトキでも側に存在(あ)った。 そんな小さな石を見つめていると、何故か心が暖かくて、孤独(ひとり)じゃないと思えた。 ずっと側に存在(い)てくれる。 ずっと私を見ていてくれる。 どうしてだろう。 理由が分からずにいた私に 小さな石が話し掛けた気がした。 だから、その小さな石を拾い上げた。 そして、気付いたんだ。 あぁ…この小さな石は、私を照らす大きな太陽だったんだって。 私は、下を向いて居たのではなく、空を見上げて居たんだって。 だって、拾い上げた小さな石は、驚くほど暖かくて、優しかったから。 小さな石が側に存在(あ)るだけで、心の雨は止んだから。 やっと見付けた 私の小さな石(太陽)。 絶対に失くさない。 だから、いつまでも この両手に大切に包み込んで 離さないようにしよう。 …―もう二度と心に雨が ……―――降らないように… ~fin~ .
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