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「行って来ます!」
いつものように家を出た。
笑顔がワタシを見送ってくれた。
ワタシの大好きで…―大嫌いなお母さんの笑顔が。
…――ふぅ…ただいまっと
玄関の鍵を開けて部屋に入る。
着替えを済ませて、お母さんが残していったメモを見る。
…――あれとこれかぁ…先にやっちゃおっと。
メモに書いてあった頼まれ事をちゃちゃっと済ませて部屋に戻る。
…――帰って来るまで時間もあるし、かなり躯もキツいし、寝ちゃお…
布団に潜り込み、目を瞑る。
余程、疲れていたのだろうか。
⑤分と経たずに眠りについた。
素敵な痛みで目を覚ました。
「いつまで寝てるんだ。やる事は、やったのか。」
そう言いながら着替え始める。
素敵な痛みに咽せているワタシの事なんて知らん顔をして。
暫く咽せていると、いつも動かないお母さんが動き出した。
不意に炊飯器を開けて炊き込みご飯が入った釜を取り出した。
そして、ゴミ箱を開けると
釜の中の炊き込みご飯を捨て始める。
目を疑った。
そして慌てて見に行くと、手を止めてワタシを見た。
次に口をついて出てきたのは、耳を疑う言葉…ワタシの心を深く突き刺す言葉だった。
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