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「そこを、何とか頼むよ。」 とマイヤー少尉が頼み込む。
「今回だけですからね。」と言うと、その兵士は本当は黒パンが2つのところ4つにしてくれた。
マイヤー少尉は、
「こいつの分も頼むよ」
と言うと、私の分も増えた。
パンを貰ったマイヤー少尉は、
「後で、酒でも持って行くよ。」
とその兵士に言った。
私は、マイヤー少尉に尋ねた。
「なぜ、パンを増やしてもらったのですか??しかも、私の分まで??」
マイヤー少尉はこう答えた。
「理由は簡単だ。1つは2個じゃ足りないからだ。だから、3個食べる。」
「あとの1個は??」
と私が聞くと。
「それは、夜の哨戒の時に腹が減ったらたべるためだ。」
そう言い、マイヤー少尉は、自分の戦車の方へ行った。
私は、近くにあったハーフトラックの横でスープを飲もうとした時だった。
「よぉ、ハンス。元気かぁ??」 と、フランツが声をかけてきた。
私が、「なんだ、フランツかぁ。お前、また賭事やってたな。」
と言うとフランツは
「なんで、知ってんだ??」
と聞いてきた。
「さっき、マイヤー少尉が言ってたぞ。しかも、怒った様子で。」
私が言うと、
「本当か??まいったなぁ。」
とフランツが焦っていた。
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