真夜中の敵襲

3/5
前へ
/737ページ
次へ
 しかし、どうしても納得の行かない私は、もう一度その草むらを見た。すると、一瞬だが キラリと何かが光った。 私がその光った物の正体を確かめようと、草むらに近づいた瞬間だった。  〔パーン〕 と乾いた音がした。  誰かが私に向かって銃を撃ったのだ。 銃弾は私の頬をかすめた。  私は、反射的に サブマシンガンのトリガーを引いた。  〔ドラララララッ〕  と草むらの方から  〔ビシビシ〕  と何かに命中する音と共に、「うわっ」と悲鳴が聞こえた。    すぐに当直の兵士がやってきた。 私は、その兵士と共に警戒しながら草むらを覗き込んだ。 すると、そこには数人の農夫らしき男達が死んでいた。 一般人を撃った?? 私は、一瞬凍り付いた。 すぐに、マイヤー少尉が戻ってきた。 「大丈夫かハンス??怪我はないか??」  と聞いてきた。 私は、 「かすり傷だけです。」  と言うとマイヤー少尉は  「すまなかったなぁ、俺の確認ミスで。」 と謝ってきた。 「いえ、自分がひとりで言ったのが、いけなかったのですから。それより……。」  私は、数人の農夫の死体の方を見ていると、マイヤー少尉は 「どうした??」  と聞いてきた。
/737ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1743人が本棚に入れています
本棚に追加