いきなりの実戦

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そう言うと、私とフランツは屋敷の裏に連れて行かれた。 すると、そこには戦車が20台あまりと、ハーフトラック〔不整地を走るために開発されたトラック〕が10台程、停車していた。 戦車長は、 「俺の戦車は先頭のやつだ。シュミット曹長の戦車はその後ろのやつだ。」 そう言われると、私はその戦車に押し込まれるように乗った。 戦車長は自分の座席に乗ると、無線機のマイクを掴み、  「こちら、マイヤーより各車へ。これより、イワン(ソ連軍の俗称)が突破した戦線を押し戻しに行く。各車前進!!」 すると、 〔ガクン、キュラキュラキュラ〕 とキャタピラを軋ませながら戦車は前進した。 私は、戦車に揺られていた。 すると、戦車長が言った。 「そういや、まだ名前を言ってなかったなぁ。俺は、マイヤー少尉だ。この戦車中隊の隊長だ。お前の左に居るやつは砲手のハンセンだ。今日からお前はこの戦車の装填手だ。」
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