白い悪魔との白兵戦

4/6
前へ
/737ページ
次へ
「ウラー!!ゲルマンスキー!!(ドイツ軍の俗称)」 と叫びなから我々が陣取っている瓦礫になだれ込んだ。 私のMP40は弾切れになり、ワルサーP38拳銃を目の前の敵にぶっ放した。 〔ドキャーン〕 「ウギャー」 と叫び、敵兵が腹を押さえて倒れた。 敵も弾切れの様でスコップや瓦礫の廃材での殴り合いになった。 中には銃剣で立ち向かう者もいた。 戦いは血で血を洗うようなものになった。 そこには、叫び声、悲鳴、怒号、まるで中世の戦いをしているようだった。 戦いは突然終わった。 ある1人のソ連軍兵士がパニックを起こし逃げ出した。 極限の緊張状態にある敵兵はそれを見て一斉に逃げ出した。 我々は何とか助かった。 敵が逃げ出した後には無数の死体が横たわっていた。 私は隣で息絶えていた味方を見た。 手の震えが止まらない。 私は頭を抱えたまま動けなかった。 フランツが  「ハンス大丈夫か??震えてるぜ。」 と声をかけてきた。  「あぁ、大丈夫だ。」 と私は答えた。 後で知ったが、敵はこのハーブスト地区に総兵力3分の1を投入していた。
/737ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1743人が本棚に入れています
本棚に追加