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「ウラー!!ゲルマンスキー!!(ドイツ軍の俗称)」
と叫びなから我々が陣取っている瓦礫になだれ込んだ。 私のMP40は弾切れになり、ワルサーP38拳銃を目の前の敵にぶっ放した。
〔ドキャーン〕
「ウギャー」
と叫び、敵兵が腹を押さえて倒れた。 敵も弾切れの様でスコップや瓦礫の廃材での殴り合いになった。 中には銃剣で立ち向かう者もいた。
戦いは血で血を洗うようなものになった。 そこには、叫び声、悲鳴、怒号、まるで中世の戦いをしているようだった。 戦いは突然終わった。 ある1人のソ連軍兵士がパニックを起こし逃げ出した。 極限の緊張状態にある敵兵はそれを見て一斉に逃げ出した。 我々は何とか助かった。 敵が逃げ出した後には無数の死体が横たわっていた。 私は隣で息絶えていた味方を見た。 手の震えが止まらない。 私は頭を抱えたまま動けなかった。 フランツが
「ハンス大丈夫か??震えてるぜ。」
と声をかけてきた。
「あぁ、大丈夫だ。」
と私は答えた。 後で知ったが、敵はこのハーブスト地区に総兵力3分の1を投入していた。
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