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そうマイヤー少尉が言った。
しかし、やはり出来ないと思った私は、マイヤー少尉に話そうとしたその時、
〔シュルルルル〕
何かが降ってくる音だ。
すると、その音がしたと同時にマイヤー少尉が
「くそ、待ち伏せだ!!中隊各車へハッチ絞め~!!」
その数秒後、戦車の周りに無数の砲弾が落下し始めた。
戦車は左右上下に揺れた。
それでも、マイヤー少尉はヘリスコープ(戦車長用のハッチに設けられている覗き窓)を見据えていた。
やがて、砲撃が止んだ。
「マイヤーより各車へ。イワンの戦車が来るぞ!!対戦車戦闘用意!!」
とマイヤー少尉が叫ぶ。
すると、無線から
『こちら、シュミット。2時方向にT-34(ソ連軍の一般的な戦車。攻守走のバランスがとれた戦車)だ。数は数十台ほどだ。』
と連絡が入る。
「マイヤー了解。ハンセン、先頭のやつ、距離1000だ。ハンス、AP(徹甲弾)装填!!」
とマイヤー少尉が叫ぶ。
私は、急いでラックから徹甲弾を取り、装填する。
「装填よし!!」
と私は、叫んだ。
敵戦車はキャタピラを軋ませ、接近してくる。後ろには歩兵もいるようだ。
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