赤い津波、再び…。

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〔シュルルルル〕 敵の砲撃が再開された。 だが、尋常な量ではない。 まるで、この世界すべての野砲を集めたようだ。  〔ズカァーン〕 廃墟が瓦礫に変わる。  「くそ、なんて砲撃だ!!何時までやるんだ、イワンどもは。」   と誰かが言った。 猛砲撃はかれこれ2時間にも及んだ。 この猛砲撃でティガーⅡ2両が吹き飛ばされた。 また、ブルムベァも1両が炎上した。  「イワンがやってくる。逃げよう。」 誰かがポツリと呟いた。 すると、マイヤー大尉が今までに見たことが無い表情で  「バカな事を言うな!!我々がここで逃げたら、誰がこの街を守るんだ。いいか、逃げる事は考えるな。イワンを止める事だけ考えろ。」 と言った。 我々は、死に物狂いで戦う事を決意した。 各員が持ち場に着く。〔カチャカチャ〕 MG42にベルトリンクを差し込み弾を込める。  〔シャコーン〕 88ミリ砲に徹甲弾を押し込む。  しばらくしてもうもうと立ち込める煙の中から、 〔キュラキュラキュラ〕 と敵戦車のキャタピラ音がする。 煙の中から敵戦車が現れた。  車種は………突撃砲??いや違う、重突撃砲だ。
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