赤い津波、再び…。

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イワン共はパニック状態になっていた。 なんにしろ、正面からは我々に撃たれ、側面からはアパートから狙い撃ちされる。 撤退しようにも、最後尾の戦車の撃破され、逃げれない。  我々は勝利を確信した。  しかし…………何か様子がおかしい。 いつもなら逃げだすはずのイワンが今日は一歩も退かない。 それどころか、再び攻撃をしようと、前進してくる。  〔ズゴゴゴゴッ〕 轟音をたてて歩兵が立てこもっているアパートが崩れ落ちる。  その時だった、 「ウラー!!」  あの地獄の叫び声が聞こえてきた。 どうやら、イワンの総攻撃の矛先が我々に向けられたらしい。 マイヤー大尉は私に、 「いいか、ハンス。敵戦車を一歩も通すな。AP弾が無くなるまで撃ちまくれ。」 と言った。 イワン共は、撃破された重突撃砲を押し退け、スターリン重戦車が迫ってくる、 〔ズドーン〕 88ミリ砲が火を吹いた。  〔ズキャーン〕 スターリン重戦車は火柱と共に砲塔が吹き飛んだ。 だか、その横をすり抜けて別のスターリン重戦車が来る。  『たっ、大尉。マイヤー大尉。』 無線からハンセン准尉の悲鳴が聞こえた。
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