赤い津波、再び…。

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マイヤー大尉は無線のマイクを取りこう言った。  「これより、撤退を開始する。ハーフトラックや動く車両には出来るだけ多くの負傷者を乗せろ。戦える者は退路を守れ。以上。」  と言った。  〔ズギャーン〕 すぐ隣に敵の徹甲弾が着弾する。  『こちら、ハンセン。もうダメです。脱出します。』 と無線から聞こえた。 また、ハント中尉は出来るだけ脱出を援護するため、その場に留まった。 その時、一時的だか敵の攻勢が弱まった。 残存部隊はハーブスト地区を放棄し退却した。 しかし、我々は退却出来ない。 ギリギリまで味方の退却を援護しなければならない。  〔ズドーン〕 〔ズドコーン〕 88ミリ砲がスターリン重戦車を仕留める。 我々は教会まで後退した。  〔シュルルルル〕 〔ズバーン〕 いきなり、敵と我々の間に砲弾が着弾した。 そこからは、白い煙がもうもうと立ち上がった。 「煙幕弾だ。助かったが一体誰が??」 とマイヤー大尉が言った。敵の攻勢は完全に停止したようだ。 我々はその隙にハーブスト地区から4キロ程後退した。 その後退途中にあるものを見つけた。
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