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まいったなぁ。昼間のうちに宿を探しとくべきだった。
ちなみに冒険者協会というものが存在し、そこでならタダで寝泊まり出来るのだがルイはあまり好んで利用しなかった。
今日も外で野宿しようか、と迷っていたら広場にでた。
どうやら街の中心のようだ。
辺りを見回すと何か見えた。
暗くてよく見えないが広場の真ん中には噴水があり、そこに一人の女の子が座っているようだ。
こんな夜に出歩くとは…、何かあるのだろうか。
ルイは疑問に思い声を掛けようかと迷う。
いや…。今声を掛けると俺のほうが不審者なんじゃ…。
きっと家が近くで涼しんでいるのだ。と思い、目の前を素通りしようとする。
「ふふっ、みーつけた!」
ルイは足を止め、声のした方向を見る。
さっきの女の子が手を振り、こっちへおいでと合図をしている。
誰だろう。みぃーつけた?って事は俺を知ってる…?
ルイは噴水に近きながら声を掛ける。
「どちら様でしょうか?」
女の子はにっこりと笑顔を浮かべた。
「私の名前はアン!そぅねぇ~、お姫様ってところかしら♪」
「おっ、お姫様ぁ?」
ルイはますます意味が解らなくなる。
アンと名乗る少女は見た目15、16歳のお嬢様といった感じだ。
確かにお姫様と言われても信じれるくらい容姿の整った可愛い顔、そして身につけた装飾品。
しかし本当にお姫様なら何故こんな所に…
考えれば考えるほど理解しがたい女の子である。
アンは困り顔のルイを見つめながら満足そうに答える。
「ふふっ。何故お姫様がこんな所に…?って思ってるんでしょ?」
「そりゃあ、まぁ…。なぜお姫様がこんな夜にお散歩なんかを?」
「ふふっ。見た目は子供だけどね、アナタよりは年上だったりするのよ」
「えぇ!!」
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