絶望

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それは決して許されてはならない。 この間違いは絶対的な悪だ。 私は怒鳴り、組織を抜けた。 だが、しかしこの事において最も許されざる罪を背負うのは私だ。 愛した女を殺したこの私だ。 何故一度でも疑わなかった? 何故素直に従ってしまった? 何よりも一番絶望したのは私が、私自身が彼女を信じられなかったというそのただ一つの事実。 後悔は重く、私がこの先の未来へ向かうのを阻むに十分なもの。 私の絶望は毎晩のようにさらなる絶望へと向かわせた。 許されない。 許されない。 私は許せない。
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