第十章 解放への焔

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『FOX-2…』 笹原は怒鳴られるがままにコールし、ミサイルを打ち出した。 それぞれが放ったそれは、ターゲットに向かって飛行していく。数秒後には、暗闇の向こうで、いくつもの光が瞬いた。 『もう、嫌だ…』 そう嘆いた笹原。飛行が緩慢になっているのが、注視せずともわかる。そして、そこに忍び寄る影。 雪村がそれに気が付いたときは、既に遅かった。 「南都子!Check 6!」 走る黄色い閃光。その先で妖狐が火花を上げた。 『ひ、被弾!』 笹原の悲痛な叫びが無線に響く。 『ミヤコ!』 水野が笹原を攻撃した敵を墜とした。 『被弾箇所を知らせよ』 『左エンジン火災発生!自動消火が作動しない!右主翼タンクから燃料が漏れてる!』
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