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蝉の鳴き声ばかりがうるさく響く、夏真っ只中。
夏服は薄手で動きやすいけれど、日焼けがきらいなわたしは、毎日冬が待ち遠しくてしょうがない。
午後のHRの終わるチャイムが鳴って、授業中とは打って変わってきらきらした笑顔を浮かべた生徒たちはせわしなく教室を出て行く。
今日はひなこちゃんと巷で流行りの女子会の日。
生憎こんな田舎には今時のお洒落なカフェはないけれど、どの喫茶店もあたたかくて懐かしい、やさしいお店だ。
わたしたち行きつけの、無人駅の隣にあるちいさな喫茶店も、こもれびの中みたいにいつもぬくもりに満ちたところだった。
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