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いちごソーダのわざとっぽい赤色は、わたしの夏の象徴。
夏の特に暑い日は、わたやくんとひろくんといっしょに、ひろくんのお家の喫茶店でいちごソーダを飲みながらお勉強会をするのが、小学校の頃からのお決まりなのだ。
おじさんの作るオムライスは絶品。オニオンスープもパスタも絶品。ちいさい頃からずっと食べているけれどもちっとも飽きない、魔法の料理。
「大学でここ、離れるのか?」
「うん。そのつもりだよ。ここじゃ大学はないし、就職も限られてるしね」
参考書とにらめっこしていたわたやくんは顔をあげて薄く笑う。ちくりと胸が痛んだ。
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