そんな理由で殺されたのか?

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麻葱大翔(アサギ ヒロト)は名前を呼ばれた気がして後ろを振り返った。 昨夜、平地には珍しく雪が降った路面は日光を浴びキラキラと反射していた。が、建物の影になる所は朝から車に踏まれ固まり、滑る事が手に取るように解った。 そんな道をスピードを出してトラックがやってきた。トラックは俺の横でスリップすると俺に突っ込んで……俺の意識はそこで途切れた。その後俺がどうなったか解らない。ただ覚えているのは全身を貫く鈍い痛み。意識が白に染まる。 まぶたを開けると真っ白な空間だった。何も無い。白一面の空間。 ――夢? 『夢じゃないよ』 「誰だ?誰か居るのか?」 心淋しい空間に自分以外の存在を確認したくって辺りを見渡す。 『後ろだよ』 慌てて後ろを振り返ると白髪の青年がニコニコと笑っていた。 『ハァーイ』 これがこれから嫌という程付き合う事となる自称神様とのファーストコンタクトだった。
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