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まぁ、ドアの向こうの彼女は可愛いとは思う。一瞬しか見てないけど。でも一瞬でそう思ったんだからやっぱり可愛いと思う。
だけど、僕、彼女いるんだよね。ほぼパシリだけど。もはや犬だけど。
「友達以下からで」
「他人ですね」
「そうともいう」
「いやんっ!」
こっちの台詞。多分。僕が言ったらキモイけど。
「いいじゃないですか、他人。関わらず関わろうとせずな関係」
「先輩、人はそれを関係(が)ないと言います」
初耳です後輩ちゃん。
そういえばこの娘、先輩とか呼ぶけど、後輩なのかな。全く見覚えないけど。
それとも雰囲気で先輩って呼んでるだけなのか。どうでもいいけどお腹空いてきたな。さっさと買い物終わらせろよあのグズ子が。
「後輩ちゃんは後輩なのかな?」
名前忘れた。まず覚える気がなかったけど。
「ストーカーという名の淑女です」
「これは失礼。随分と薄汚れていたので淑女とは気付きませんでした」
「薄汚れているんじゃなくて真っピンクな色をした愛情です」
「素敵ですね、色合いが。内容はレトルトカレーよりドロドロだけど」
「100パーセントオレンジジュースよりはさらさらしてます」
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