くるりら

6/10
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
まぁ、ドアの向こうの彼女は可愛いとは思う。一瞬しか見てないけど。でも一瞬でそう思ったんだからやっぱり可愛いと思う。 だけど、僕、彼女いるんだよね。ほぼパシリだけど。もはや犬だけど。 「友達以下からで」 「他人ですね」 「そうともいう」 「いやんっ!」 こっちの台詞。多分。僕が言ったらキモイけど。 「いいじゃないですか、他人。関わらず関わろうとせずな関係」 「先輩、人はそれを関係(が)ないと言います」 初耳です後輩ちゃん。 そういえばこの娘、先輩とか呼ぶけど、後輩なのかな。全く見覚えないけど。 それとも雰囲気で先輩って呼んでるだけなのか。どうでもいいけどお腹空いてきたな。さっさと買い物終わらせろよあのグズ子が。 「後輩ちゃんは後輩なのかな?」 名前忘れた。まず覚える気がなかったけど。 「ストーカーという名の淑女です」 「これは失礼。随分と薄汚れていたので淑女とは気付きませんでした」 「薄汚れているんじゃなくて真っピンクな色をした愛情です」 「素敵ですね、色合いが。内容はレトルトカレーよりドロドロだけど」 「100パーセントオレンジジュースよりはさらさらしてます」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!