くるりら

7/10

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
100パーセントオレンジジュースって、メーカーとか店によって味が違うから、100パーセントかどうかを疑っちゃうよね。 「七海ちゃんはなぜ僕のストーカーを?」 「三目見た瞬間に恋しました。三目惚れです」 聞いたことないよ。なんか君に三つ目があるみたいだよ。怖いよ。 「先輩結婚しましょう」 「10年後にお友達からで」 「じゃあ今から結婚ですね」 「え?」 「お友達前提に結婚してください!」 「指輪とか買うお金がないです」 「愛でカバーしましょう」 愛し合っている二人にしか見えない指輪とか用意するのかな。裸の王様よりは馬鹿にされずにすむよね。結婚しないけど。 ブーー、ブーー パジャマのポケットに入れたケータイが鳴る。ていうか震える。 誰かな。 あ~、香奈ね。彼女だよ彼女。そういや僕の家に来るとか言ってたっけ。 とりあえず通話ボタンを押して電話に出る。 「はい、こちらピザ専門店、嘘八百です」 『楼希君を一個』 乗るのね。 「サイズは?」 『174㎝で』 身長教えたっけ。 「焼き加減はどうしましょうか」 『愛で熱々にしてください』 「100万円からのスタートです」 『オークション!?』 「1000万」 君も乗るのね。 「1000万入りました~」 『ちょっ、えっ!?』 テンパってらっしゃる。演技でもなんでもないあたり好感を持てるよね。苛めたくならない? 『1200万円!』 乗るのね。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加