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「1200万円入りました~」
「1300万円」
「1300万円入りました~」
いつ終わるんだろ、これ。
誰かが折れないと永遠に続くよね。そしてこういう時ってなぜか折れようとしないよね。僕もだけど。
『1300万円……。じゃあ――――じゃなくて!』
あ、折れた。
「じゃあとりあえず僕は1500万円で」
『話を聞いて! 家に着いたの!』
「後輩ちゃん、玄関に行ってドアを開けてあげて」
「無理ですね。殺しかねません」
そいつは困る。我が家で殺人はよしていただきたい。どうしようかな。
『後輩が来てるの?』
「多分」
『え?』
「とりあえず気合いで入って――――」「ここまで来たら殺しますね」
「……こないで」
『え?』
うむ、ドアの向こうのストーカーをどうにかしなければ。
殺すなんて言葉、普段ならなんの違和感も持たないのに、ストーカーが言ったらリアリティがあるよね。本気の度合いが違うね。
「とりあえず和解しようよ」
「彼女、抹殺、血祭り。これ世界の法則」
「君が彼女になったら?」
「私は妻なので」
ぶっ飛んでるなぁ。
「テイク2、とりあえず和解しようよ」
「では籍を入れるところから」
「それは和解じゃなくて入籍だよ」
「テヘッ☆」
う~む。どうしよう。手強い。ていうか僕自身楽しんでない?
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