第一章~決意~

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第一章~決意~

「よし!星を見に行きこう。」と 、 拓は 突然立ち上がり言った 。 いつものように 僕ら三人で 建太の家で グダグダと 過ごしているだけの 夏休み。 最近買ってきたという 星図を 眺めていた 拓が言い出した。 「なぁなぁ 星見に行きたくない? 絶対楽しいぜ。」 「はいはい行ってらっしゃい」 ノリノリの拓を めんどいように 軽く流す建太。 その対応に不満なのか 拓は 優が読んでいるマンガにかぶせるように星図を 差し出す。 それには 季節によって わかるように いくつかに 分かれていて 細かく星座の名前が 記されている。 一瞬驚いた様子の建太 だったけれど 少しのあいだ星図を 眺めていると ワクワクとした表情に 変わっていた。 「そーだな。 行くか。」と、 ボソッとつぶやいた。 そして、建太は いまは拓と一緒になって星図を眺めている。 しばらくすると 二人は気がついたように僕のほうを 気にしはじめた。 「なぁ優も行きたいよな?」 おそるおそる聞く拓は どこか遠慮がちだ。 いつも拓と建太が ムチャをして 後始末をするのが僕の 役回りだからだろう。 まぁ二人のやりたいことをしているのを みているのが楽しいからいいんだけど…。 でも少し意地悪を してみたくなったから ちょっと黙って 考えているフリをしてみた。 建太と拓は そうとう不安そうに 黙って見ている。 五分は経った頃、 ついに拓が しびれを切らした。 「優?」 そろそろ頃合いだと 思ったので 声を出した。
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