新選組に入り、信頼を得て、共に戦い、いろいろな事があった。

13/22
前へ
/22ページ
次へ
 襖の前に来て、襖に手を掛けた時、侑は声をかけた。 「私を殺しに来たのか?それとも、攫いに来たのか?」 「殺さねぇよ?攫いたいのは山々だけどな。」  襖を開ける直前に声を掛けられるのも、気配を悟られるのも予想していた。 そして、言われる事も、大体予想できていた。 聞かれることも。  青く長い髪を、一つに束ね、日に焼けた肌。 鍛えられた体はとても逞しい。 腰には刀ではなく銃を差し、いつも、挑戦的な笑みを浮かべている鬼の男。 私の婚約者だと、言っている。 この男には知らないといっていたが、本当は、その話は知っていた。 父に許婚の話は聞いていたし名も聞いていた。 この男だというのは、戦場で会って初めて知ったが・・・・・・。  襖を開け、不知火匡は、侑の所に近寄っていく。 侑は、この男は、自分を殺さないと知っているから、拒絶の雰囲気は出さなかった。 不知火ともそれを分かっていて、侑に近づき、髪を束ねている紐を解いた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加