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そう言われた後、右手を掴まれ、そのまま畳に押し付けられてしまう。
両手を捕らえられ、それを外そうと足掻くが、全く外す事ができない。
そうして、侑は眼と顔を逸らしながら、そうしていると、右を向いているため上になった左耳に、顔を近づけながら囁く。
「無駄だって。人間の男ならまだしも、同じ鬼の男だ。女の力じゃ勝てねぇよ。まぁ、このままこっちを向かなくても良いけどよ。お前の首筋、羅刹じゃねぇ俺でも、そそられるぞ?」
「ちょっと!何を!?」
侑は、左耳で喋られてぞくぞくしたのもあったが、その後、すぐに不知火が首筋を、肩の辺りから舐め上げたのもあった。
その舌の感触にも、ぞくぞくして、今まで、自分が出した事のない声が出た。
「あっ・・・・・・んん!」
その声に侑は、はっとし、何だ!この声と思った。
それに困惑している侑とは別に、不知火は、侑の声に、ゾクッとした。
今すぐに、食っちまいてぇと心の中で思った。
からかうのが、本気になっちまいそうだ。
顔を赤くして驚いている表情は、さっきの声の艶っぽさと違って、すごく可愛かった。
こういうことしないと、いつも表情は変わらず、ほぼ無表情のままで、面白くないと思っていた。
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