【二】狙われた兎

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「私ね、美容師なの。原宿で小さな美容室を経営してるのよ。カラーは得意なの。斗真も諒真も彪真も、私の作品。メッシュにするか悩んだけど、綺麗に染まってるでしょう。特に彪真の赤はサイコー傑作ね」 満面の笑みで彪真の髪を見つめる彼女は、普通の母親とは、感覚がかなりズレているみたいだ。 「祐真ちゃん、私の事はマコちゃんって呼んでね。オバサンなんて呼んだらダメよ。それは禁句。オバサンって言われたら数秒で死んじゃうから。殺虫剤撒かれたゴキブリより早く死んじゃうかも」 「はぁ…」 彼女は自分の言った言葉に、一人でウケている。
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