出会い

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「………行ったな」 「…そうね」 奏を見送ってから少しして、俺は口を開いた。 「ほら」 力なく答える綾にハンカチを差し出す。 「………えっ??」 「…涙……で出んぞ…。」 「……ありがとう」 差し出したハンカチを素直に受け取った綾は目元を拭った。 「…私、また気使わせちゃったかな」 「かもな…でもさあいつは……」 そこで俺は一息ついた。 「……あいつなら大丈夫だ」 何てたって俺たちの弟子だかんな。 そんなこと本人居なくても言うには恥ずかしいから言わないけどな。 「………がんばれよ、」 綾にも聞こえるかわからないくらいの声でエールを送り、窓を見た。
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