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「…っ!!」
記憶が思い起こされる。
彼女の最後の言葉。
電話から発せられたあの声。
『別れる。』
「え……、何でだよ?!」
『他に好きな人が出来たの。』
涙を堪えるように震えた声だった。
『貴方なんか大嫌い。もう二度と会わない』
―――――プツン。
電話が切れ、ツーツーという音だけが寂しく鳴る。
愛し合ってると思ってた。
自分だけがそう思ってたのだろうか。
心が冷えて行く。
何かがごっそりと抜け落ちた様な喪失感を味わっていた。
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