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「本郷 唯さんというかたね。」
はっと我に帰った。
自分の意思が過去から現在に引き戻される。
青い瞳の女性が自分の前の彼女の名前を知っていても不思議と驚かなかった。
「その人はね、幼い頃から両親の喧嘩ばかりを見て育ったの。
両親から虐待されてた。」
悲しみを秘めた青い瞳が遠くを見つめていた。
俺は彼女の横顔をじっと見つめる。
アイツ……そんな事一言も言わなかった。
「それで人と《愛し合う》事が出来なくなってしまった。
過去のトラウマが彼女を蝕み………
それに負けてしまったのね。」
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