黒木冴子1

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「私、今度クッキー焼いてくるよ!」 「黒木が?作れるの?」 「…それは分かんない。」 「……無理しなくていいよ」 「煮物なら作れるのに…」 「煮物ってそれ?」 蜂屋は私が食べかけている 煮物を指さした。 「…………うん」 蜂屋のために作ってきた煮物。 「ふーん…。」 まただ。 せっかく会話続いたのに…。 ふーんって言わせちゃった。 何か…何か会話… 「この煮物食べて!」 何言ってんだ私! 「…なんで?」 ほら蜂屋困ってるよ。 「……」 「じゃあちょうだい」 …え? 「食べるの?」 「今食べてって言ったじゃん。」 「あ…うん!」 蜂屋はゆっくり食べてた。 私が作った煮物を 蜂屋が食べてる…! 変なの。 野菜嫌いなはずなのに。 何で食べてくれるんだろう。 ちょっと期待していいのかな。 「野菜嫌いなんじゃないの?」 「甘い物食べてたら醤油的なものが食べたくなった」 ……理由聞くんじゃなかったよ。
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