蜂屋平治2

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最近屋上で黒木とよく出会う。 先日は煮物をもらった。 黒木の手作りらしい。 料理もできるのかあいつは。 最強だな。 「平治、廊下で女の子が呼んでるよ」 清水がニヤニヤしながらやってきた。 もしや告白? いやいやまさか…ないない。 教室に入ってきた清水に聞く。 「女って誰?」 「渡辺麻里子」 「…まじかよ」 俺は一気に青ざめた。 渡辺麻里子は… 俺の元カノだ。 『平治って何考えてるか分からない。』 これが最後に渡辺麻里子が 俺に残した言葉。 別れようと言うこともなく 喧嘩するでもなく 俺達は自然に会話しなくなり 今にいたる。 今更なんだろう。 「彼女待ってるから さっさと行ってあげなよ」 清水がせかす。 「めんどくせ…」 俺は重い腰をあげた。
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