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「おーい。霊夢、弦。もう作業に入ってるのか?」
頭上を見上げると魔理沙がいた。
正確に言うと箒に跨って空を飛んでいる魔理沙がいた。
どうやらここまで来ると魔理沙も本格的な魔法少女と認めざるを得ないな。
リアルにいるんだな、魔法少女。
「魔理沙、やっと来たわね。さっさと終わらせたいから早くしなさいよ。」
「整理する物は?」
そう言って俺のすぐ隣に着地してきた魔理沙。
相当慣れているんだろう。
かなり滑らかに、自然に着地してきた。
「書物は出さないで。それ以外なら・・・」
扉の前で立ち往生してる俺と霊夢の間を魔理沙がすり抜けるように通り、宝物庫の真ん中まで進んでいった。
そして部屋の中央で考え込む魔理沙。
「いや、書物も出した方がいいかもだぜ。」
「なんでよ?」
「この部屋、湿度が高い。この程度なら大丈夫かもしれないけど
下手したらカビが生えるかも。少しだけ日に晒した方が良いかもだぜ。」
「そうなのか?」
「霊夢は掃除の事となるとテキトーになるからな~。
弦もここで居候するなら、霊夢の代わりにしてやってくれ。」
俺の肩をポンポンと叩きながら言う呆れ顔の魔理沙。
「ちょっと!テキトーって何よ!私だって毎日神社の前とか綺麗にしてるわよ!」
「何言ってるんだ霊夢。境内とか落ち葉とかでチラホラ散らかって・・・
ってアレ?今日は割と片付いてたような?」
「あぁ、それやったの俺だ。」
「なんだよ~霊夢。客人に掃除察せるなんてひどいんだぜ?」
「アンタさっき弦の事、居候って言ってたでしょう!」
「あ~あ~。聞こえな~い♪」
「ア・ン・タねぇー!」
「魔理沙。俺がやるって言ったから良いんだ。居候で何もしないってもの悪いし。
それに俺が掃除したもの途中からだし。」
「なんだ、そうなのか。そんじゃ霊夢。さっさと始めようぜ~。」
「アンタさっきからやりたい放題ね!!」
そんな、騒がしくも賑やかな中、宝物庫整理が始まった。
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