宝物庫整理での騒動

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「刀・・・か?」 鞘に納められた刀。 鞘の先から柄の先まで黒く、所々にある模様や文様は白く彩られた刀だった。 「綺麗な刀だな霊夢。こんなのあったか?見た事無いんだぜ?」 「魔理沙知らなかったの?結構前から在ったけど。」 とりあえず刀を箱の中に戻そうとした手に取った。 その時  ー見つけた・・・私の還る場所ー そう、聞こえた。 耳ではなく頭の中で聞こえる声。 何かと思った。 その時、 俺の手にしていた刀が鞘を抜けて勢いよく飛び出した。 俺の握っていたのは柄ではなく鞘。 柄には一切触っていないのに刀が勝手に飛び出した そこで抜け出した刀は地に落ちる・・・とはいかなかった。 抜け出した刀は空中で静止した、刀身の切っ先を俺の腹部に向けて。 そしてその刀は俺の腹を狙ったのか分からんが飛んできた。 不可解の連続の為に頭が追い付かない。体も動かない。 動けない俺の身体に刀が突き刺さった。 いや、感覚的に言えば何となく違う。 刀が俺の体に取り込まれていく感覚だった。 刀は俺の体に波紋を立てながら吸い込まれていく。 痛みも無ければ出血も無い。 しかも長さ的に言えば、もう刀が俺の背中を貫通する程まで刺さってる。 けど、何処まで行っても貫通しない。 仕舞いには柄まで身体に吸い込まれる。しかも何の抵抗もなく。 時間として十秒ぐらい。 そんな時間で刀は完全に俺の体に取り込まれた。 腹を見ても傷口が無い。 それは愚か服すら破けて無い。 腹の中に刀が納まった?どこぞの自称ネコ型ロボットのポケットじゃ無いんだ。 んな物は持ってない。だとしたらどうだ? 奥様ビックリの収納術だって俺は知らない。 「何…だ。これ…」 何が何だか分からない。 ショックで身体の力が抜けていくのが分かった。 倒れる様に座り込んだのも。 「おい弦!大丈夫か!?」 魔理沙が俺の肩を揺さぶり声をかけてくる。 「還る場所って・・・言ってた。」 「還る場所?」 「聞こえたんだ・・・多分刀から。」 そのままで伝えた。 「そっか…。弦、今起きた事には害は無い筈よ。」 霊夢がスッパリト言った。 しかもかなり自信があるのか笑ってた。 「どういう事だ…?」 どうにかして心に余裕を作って立ち上がる。
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