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「嘘、吐いてる様に見えないもの。」
嘘をついてるように見えない?
そんな曖昧な理由で?
「良いのか・・・俺を信じてしまって。」
「別に?損する事は無いもの。」
「もしかしたら、本当に追手が来るかもしれないぞ?」
俺がそう言うと、少女が立ち上がって和室から出ようとした。
そして襖に手をかけた時に少女がこう言った。
「大丈夫。多少なら自信あるから!」
根拠のない言葉だった。
けど、何故だろう?
それだけの
たったそれだけの言葉で
安心できた。
「ま、とりあえず今はゆっくり休んでいきなさいな。
その身体じゃあ、まだマトモに動けないでしょう?」
「良いのか?世話になって。」
「その身体で外に出てみる?」
「遠慮しておこう。」
「でしょ♪」
マジで今、外に出たらどうなるか分からない。
多分、ぶっ倒れるだろう。
それが分かってるから、この少女は言ったのだろう。
多分、俺を休ませる為に。
周りは昼。
少女の言葉に甘える事にして、俺は瞼を閉じる。
深い、まどろみに沈んだ。
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