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その日。俺は一日中、にへらにへらとケータイの画面を眺めていた。
その間、謙信が「病院行くか?」と何度聞いてきたか解ったものではない。
だが、今の俺は世紀末の覇者と呼んでも差し支えないほど、ノリに乗っている男だった。
「な? 俺、ノリに乗っている男だろ?」
「は? 海苔に乗っている男?」
急な俺の言葉に対応できないとは、俺の親友で大丈夫か、謙信。
そういう、親友殿はあまりに俺が不憫だったのか。哀れむような視線を送ってきやがる。
至極、失礼な奴だ。
何故、俺がにへらにへらとケータイを眺めていたかというと、理由はメールにあった。
俺のケータイに昨夜メールが届いた。差出人は、氷凛雪花。
アドレス交換をしたばっかりの自称・雪女だ。
雪女だろうが、なんだろうが可愛い女の娘には変わりない。
むしろ、かなりお美しい。
調べたところによると、二年生だというのもグッドだ。
そして、メールの内容が更に俺を舞い上がらせた。
『明日。放課後。生徒会室にて、君を待つ』
完全にこれは××なシュチュエーションだろう。
放課後の個室というのに、燃えないわけがない。
少し、生徒会室という言葉が引っかかるが、何の問題も無いと俺は認識する。
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