雪女の気紛れ

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 今年の三月に中学を卒業して、それで合格発表。  なんなく、合格した俺には何の達成感も、絶望感も無かった。  ま、落ちたわけでもないので絶望感は当たり前か。  想像していた高校生活……入ったわけでもないのに、想像できるわけがない。  そして、入学式。  新しい制服に身を包み……まぁ、制服が学生服からブレザーに変わっただけなんだけどね。  そして、入学式……二回言ったが気にしないでくれ。想像よりもよっぽど普通に終った。  やはり……と言ってしまえば、それまでだが、希望を抱いていなかったといえば嘘になる。  これでも思春期の男だ。彼女の一人くらいは欲しいもんだ。その上、最近の漫画を読んでいれば嫌でも安易な想像を浮かべやすい。  ほら、空から宇宙人が降って来たり。  箱を開けたら幼女が出てきたり。  なんかわけのわからん青い全身タイツのヤンキーに追っかけられたら鎧パツ金少女に救われたり。  物凄い美少女が自己紹介で一般人に興味ないとかほざいたり。  屋上に来たらいちごパンツの女がいたり。  とかだな……最後のはネタが古いのはお兄さんとの内緒だ。
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