注意警報

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建物ばかり眺めて前を見ていなかったせいで、 前の生徒とぶつかってしまう。 驚いて見ると、片目に眼帯をつけている白メッシュの男が きょとんとした顔でこちらを見ていた。 ―先輩かあ? なめた格好しやがって…。 内心そう思いながらも、慌てて体を離す。 「す、いません」 自分より身長が高いと、結構迫力があるもので。 しかし、相手は見た目に似合わず 爽やかに笑うと 「大丈夫だよ」と これまた爽やかな声で返した。 「新入生かな?歓迎するよ」 「は、はあ、」 あまりに綺麗な笑顔を向けるもので、思わず後ずさる。 相手は苦笑いをして 言った。 「俺の見た目、怖い?」 「あっ、あいや、そうゆう訳では…」 「よく怖がられるんだけど、中身はこんなんだからね」 陽気に笑いながら手を広げる先輩に 自然と笑ってしまう。 くすりと笑いを浮かべ、先輩は質問をしてきた。 「名前、何て言うのかな?」 ,
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