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宍戸は鞄を持ち 学校を出た。
白間が 後を追ってきたが、「ごめん、帰る」とだけ伝えた。
奴がいることを知っていたら、
きっとこの高校には 入らなかっただろう。
不意に 携帯が振動する。
登録されていない電話番号、
しかし 宍戸には誰だか検討がつく。
「………」
『あーやっと出た』
こんなに苛つくほど呑気な声を出す奴は南条しかいない。
『何も飛び出すことないんじゃないかな』
「切るぞ」
『まあまあ落ち着いて』
電話越しで笑っているようだった。
憎たらしい、
裏切ったくせに
何故 俺に構う
『“あいつ”がいると話せないからさ、君と』
「………」
『あのさ、白米くんも同じ目に合わせたら怒っちゃう?』
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