25人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
白間は高校で唯一出来た 友達だ。
宍戸は怒りに身を包み 大きく舌打ちをする。
『あーちょっと今舌打ちしたでしょ。傷付くなー』
「いい加減その喋り方やめろ気持ち悪い」
『うわ酷ー』
「…水原先輩の前だと余裕なくして素が出るくせにな」
宍戸が吐き捨てるように言うと、南条が黙る。
きっと嫌いな奴の名前を出されて 不快なのだろう。
『…素が出るんじゃなくて出してるんだよ』
その笑いを含んだ声はとても低く、迫力があった。
『利用出来ない奴に媚売っても何も得しないだろ?』
「俺はまだ利用出来るってことか」
『そうだけど?』
嫌味ったらしく吐かれた言葉に 電話をブチ切った。
きっと奴は白間を狙っているはずだ。
宍戸はギリッと唇を噛み締め、
足早に 家へ向かった。
,
最初のコメントを投稿しよう!