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●間ノ話・そんな話
戦争なんてのは、そのうち終わるものだ。
その終盤も終盤、状況は神側に有利。
既に敵方の大将、類稀なる技術者であり神の親友でもあった男は死んでいた。
だが。力なんてものも、例によっては継承されるものだ。
継承された力、技術力は、残った階層である最上の『天超階』を時限的に滅ぼした。
その滅び行く世界で、それでもなお生き残った神達は生を求めそれ以上に力を求めた。
地上・・・現実階への退却を視野に入れつつ、技術の奪取を目論む。
そうして最後の激突が開始された頃、少しながらも自由を得た。
混乱した戦場で、それに紛れてのものだ。
「殺してやる・・・!」
人間としての全てを奪われたのだ。その当事者達を殺してやろうと思った。
家族を奪い、仲間を奪い、人間としての器を奪った、神。
その引き金となった技術と、それを受け継ぐ者。
そんなもの全てぶち壊してやろうと。
・・・だが、崩壊はそれを成すより早く訪れた。
概念の影響か。
元々現実階の住人だった為か、生粋の天超人達が崩壊に巻き込まれるより早く現実階へ引きずり落とされた。
恨みをぶつける相手は、完全に消滅した。
・・・ただそれだけの、そんな話。
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