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「よーし、テスト結果を返すぞー」
時は7月。2年になってから2回目のテストが終わり、早1週間が経過した。
俺の周りの生徒たちは夏場の暑さに茹(ウ)だりながらも、夏休みを目前として胸を膨らましている奴も少なくなかった。
とは言え、やはりテスト結果とは学生が目を逸らしたいもの(少なくとも俺はそうである。というか興味ない)なわけで……。
担任の声の直後には「えぇ~!!」という反発の声があがる。
…………何でこんなことになってるのかと言うと……俺が聞きたいぐらいだ。
テスト前にあったあの事件以来、俺の周りには今まで存在しなかった奴らが増えた。
あの後、とりあえずこちらに責任はないがやはり怪我をさせたということで、3日程の停学をくらった。
普通なら俺に近づこうとする奴なんかいないはずだった。
そう。いないはず“だった”んだ……。
「裕人君どうだった?」
素晴らしい笑顔を向けて俺に話しかけてくるのは悠莉。
停学が終わり、嫌々ながらだけども学校に来たらコイツがつきまとい始めた。
オマケに何故か呼び方まで赤城君から裕人君にまで変わった。
今も後悔している。
…………何故来ちまったんだ……。
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