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「えっと……現代文27点、古典34点、数学12点、化学39点、……………英語100点!? ライティングも!?」
勝手に人の点数晒すなし。勉強なんかしてねェから解けねェし。
「ななな、何で何もしてないアンタが何でこんな点数取れんのよ!?」
「ふぇぇぇ……凄いなぁ……」
あぁ、五月蝿い五月蝿い。
俺のため息を気にすることなく騒ぎ続ける2人。
「そこー、五月蝿いぞー」
担任の注意もこの2人にはまったく聞こえていないようだった。
「ハァ……」
もう一度大きなため息をついたが、そんなものは騒音にかき消されるだけだった。
時刻は放課後。多くの生徒が部活やら何やらで教室から生徒の数が減っていく。
「裕人君、帰ろ?」
このように悠莉に誘われることも多い。
「あァ……」
席を立ち上がり、薄っぺらな鞄を抱き抱える。
「それにしても……」
音原が口を開いた。
「アンタ、ここ最近で随分と変わったんじゃない?」
何だかんだで学校に来る回数は増えてきている。
更にこの間の一部始終が形を変えて広がっていることも分かった。
そのお陰で、俺のことを更に避けるようになった奴もいれば、ちょっとだけ話しかけてくるようになった奴もいた。
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