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「……知らねェよ」
「まったく……。そういう取っつきにくさがなくなれば、マシになるのにね」
俺の態度に対してハァとため息一つ。失礼な奴め。
お前だってもう少し静かにしてれば、マシになるだろうよ。
「何か言った!?」
ギロリとこちらを睨んでくる音原。俺に対してここまでつっかかってくる奴はコイツくらいしかいない。
扉の前まで歩き、扉を開こうとした時だった。
ガラッと引き戸である扉が開いた。扉を開けた本人は龍だった。
「……よかった。……まだいたか」
「龍君!」
「龍哉!」
2人の声が重なる。回数は少ないが、こうして“いつもの”メンバーが揃った。
「龍、何か用か?」
「……そうだったな。……これが俺のところにきた」
そう言って学ランの内ポケットから取り出したのは手紙。
手紙と言ってもそんな丁寧なモンじゃない。紙を折り畳んであるだけで、表には堂々と『果たし状』の文字。
俺はそれを受け取った。……ったくよォ、何を果たすんだか……。
ハァとため息をつく俺の横から果たし状らしきものを覗き込む悠莉に音原。
「へぇ~、果たし状っていつの時代だよ」
これを見た音原も馬鹿じゃないの?と笑っていた。
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