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「え~……であるからして~……」
長い長い校長先生の話が続く。かれこれ30分弱。しかも、まだ終わる気配がない。
衣替えも終わり、夏服(男子はYシャツ、女子はブラウス)になってはいるものの、体育館内で長時間いるのは辛い。
全ての窓を全開にしているのに、風がまったく吹いてこない。
おかげで、汗が止まらない。下着が透けてしまいそうで恥ずかしいったらありゃしない。
もう既に何人か倒れてしまっているが、校長先生は話を続ける。
あっ……先生まで倒れた。
そこには、普通の高校では見られない地獄絵図が出来上がっていた。
正直、私も辛い…………っていうか、倒れそうだし……。
垂れ流れる汗を拭き取り、意識を保とうとする。
因みに、裕人君や龍君はこの場にはいない。
(まぁ……あの2人はこういうことには参加しないよね……)
また1人、また1人と生徒が倒れていく。
「……というわけで、体に気をつけて夏休みを過ごすように」
この時、体育館内の校長先生以外の全員の気持ちが一致した気がする。
『校長死ね』と……。
私たちは教室に戻り、1学期最後のLHRが始まるまでの間を過ごしていた。
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