夏休み直前!! 校長の長すぎる話は宿題並みにいらない

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「クッソ~、校長の話長いっつーの!!」 凪が下敷きを団扇代わりにしながら私に話しかけてくる。 「そうだね。私ももう少しで倒れるかと思ったよ」 教室でも吹き出てくる汗にうんざりしながら凪に応える。 「悠莉には辛いかもね~。……ところで」 キラリと凪の目が光った。……気がした。 「な、何?」 どうしてだろう……? 嫌な予感しかしない……。 「今日はまた随分と気合い入ってるね~」 気合い? 何のこと? 「ピンクのフリルか~。下とお揃い?」 ピンクのフリル……? 「ッ……!!」 私は凪が何を言いたいのかを瞬時に理解し、胸元を隠した。 「透けてるの気づいてなかったの?」 「うぅ~……」 恐れていたことが……。いつからだったんだろう……。 (自分の中での)事態の大きさにどんどん顔が紅くなっていくのが分かる。 「そんなに顔を紅くしちゃって~♪ 食べたくなっちゃうよ♪」 「冗談に聞こえないから止めて……」 凪とのかなり危険な会話をしていると先生が扉を開けて教室に入ってきた。 「席につけー」 その一言で全員が自分の席に戻っていく。 「んじゃ、早速だが成績表を返すぞー」
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