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久々に夜仕事に出た。
ママ達に喜んでもらえたが、前のような笑みは出せなかった。
何だか胸騒ぎがおさまらない。
お客様もあまり居なかったので、11時には帰してもらえた。
あえて亘に連絡せず驚かせようと思った。
普段一緒にいれない分
甘えようと…
家に着き、静かに鍵を開けた。
寝室に直で行き覗く。
二人は寝息をたて気持ち良さそうに寝ていた。
残念な気持ちだったが
お風呂に入り、ダイニングの椅子に腰を下ろす。
テーブルの上には
飲み干したビールやら片付けられていない皿などで散らかっていた。
その中に亘の財布があり
目についた…
普段、食事は全て外食だからお金も無いだろうと
今日の給料を入れてあげようと思い、財布を手に取り開けた。
財布は付き合いたての時、
アタシがプレゼントした物で
思い出深い。
しみじみしながら見ていると、カードが落ちてきた。使い過ぎて、カードを入れる所が緩い。
落ちたカードを拾い、しまおうとした時、綺麗に畳まれた紙が何枚も落ちていた。
(…なんだろ…)
悪いと思ったが、紙を見てみたいという衝動に負けて開いてみた。
ワッタンへ
大好き❤
今日も一日頑張ろね❤
まきヨリ
ワッタンへ
今日寝坊してお弁当
5分で作ったよ❤
でも愛情たっぷりだから❤
ワッタンのが欲しい❤
ワッタン大好きなまきヨリ
他にも大好きと綴った手紙が何枚もあった。
中には、まきの子供であろう落書き…それを矢印して○○の仕業とまでご丁寧に書かれていた。
吐き気がする。
夢なら覚めて欲しい。
頭を鈍器で殴られたような感覚にも陥った…
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